佐渡から帰ってきてはや2週間
レースレポートを書こうと思う気持ちはあったがずっとバタバタしていて時間が経ってしまった。
ぶっちゃけもう成績的な部分を目標にしてレースに出ることはおそらくないだろうし、レース内容的な部分は割愛して、今後の自身への備忘録として、精神的なところをメモしようと思う。
レース前
今まだになく穏やかな気持ちでレース前の時間を過ごしていた。
良い成績が残せる自信があったわけではない。
寧ろ完走できるかどうか、という不安も確かに心の中に介在していた。
練習時間は良くて月間20時間
トップ選手なら1週間でこなす量である。
それでも、限られた時間の中で、仕事に忙殺される中で、自分はやれるだけのことはやった。どんな結果になろうともこれが自分のベストレースになる、どんな結果も受け入れられるという確信と覚悟があったように記憶している。
非常に穏やかな気持ちだった。
自身の20代に何を残せるか、問う旅が始まる
スイムは決して速くなかったが、なんとか陸に上がりバイクに乗り込む。
100kmくらいまでは良く体が動いたが、以降は脚が鉛のように感じられた。
客観的に考えると練習不足である。
疲れが出てくると同時に心の中に多少ネガティブな気持ちが育っていくのを感じた。
なぜ自分は人と同じようにやれないのかとか、ここまでのトレーニングとりわけ社会人になってからの練習が全てひとりぼっちで寂しかったとか、全く分類されていない、とりあえずマイナスな感情がぷつぷつと湧き出る。
最後はヘロヘロになりながらランに移る。
走り始めた時はもう終わったと思った。
ここから40km以上走る自分は全くイメージ出来なかった。
応援に来てくれたマツコに「俺、完走できないかも」と弱音を吐いてしまった。
しかし彼は「走ればなんとかなります」と言ったようなことを返してくれたように記憶している。
いま思うと何のアドバイスにもなっていないが、あの瞬間、尊敬する後輩にかけてもらったあの言葉はどんな薬にも勝る効果を発揮し、力が漲った。
それでも道中では、両膝をついてレースを投げ出したくなるくらい辛かったが、そんな中で走ろうと思えたのは、理性を超えて、自身の身体に刻まれた(競技に打ち込んできた)8.5年間という時間の重みが無意識にそうさせたからだと、後になって思う。
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12時間経過し、自身の20代に何を残せるか問い続けた旅路がようやく終わる
ゴール後に流れたのは安堵の涙か、達成感の涙か、少なくともネガティヴなものではなかった。
年齢的に良い大人になって、社会人になって、そんな中でも涙が出るくらい本気で何かに打ち込めたこと、本当に幸せだと思う。
出来れば自分の周囲の人間にも何か自分の好きなことを本気で突き詰めて欲しいなと思う。
好きなことを突き詰めてるときの姿こそが、その人にとって最も魅力的な状態だと思うので。
今後はそうやって、魅力的にあろうと努力する人のそばに寄り添ってサポートすることに注力していきたいです。
皆さんが私にしてくれたことと同じように。
皆さん本当にありがとうございました。
次は私にお手伝いさせてください。
おしまい。